「安比高原」  2021.07
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 毎年訪れる安比高原ですが、今年は安比湿原を目指したものの、天候と見通しが悪く、中の牧場で断念しました。
 計画では安比歩道(車道行きどまりの赤川砂防ダムから安比岳を経由して源太森近くの三叉路まで)を進んで、安比岳手前の安比湿原までを往復するつもりだったのですが、事前の情報通り、ブナの駅から先は橋梁工事中で立入禁止になっています。
 散策路を迂回して徒歩で進むことは出来るのですが、天候がほぼ霧雨です。
 少し待ってみましたが回復しそうになく、今回はあきらめて中の牧場を歩くだけにしました。例年春のレンゲツツジや池塘のミツガシワに来ることが多いのですが、7月に入るとヤナギランの群落や他の花たちが違った色どりを見せてくれます。
 
 ↓ 遊歩道案内距離標とアザミ。こまかい雨が降っているのがわかります。
 あまり見かけなかったカキツバタ類も今回見つけられました。好天ではないものの時折散策やカメラを持った人や中にはランニングしに来る人がいます。
 翌朝も一時晴れ間が見えましたが、また雨が降り始めましたのであきらめて御所湖の湖畔にある湿生植物園等を見学します。
 安比からは少し南下して、仙岩峠近くにある国見温泉石塚旅館にやってきました。この時期は秋田駒ケ岳へ岩手側から登る人たちでにぎわっています。以前には私も登ったこともありますが、今回は入浴だけの利用です。
 名物はこの緑色のお湯です。宿の人もおっしゃる通り「入浴剤はいれておりません」で、天然の状態でこの色です。他に誰もいらっしゃらなかったので撮影させていただきました。湯舟の縁の石には晶出した半透明の濃緑色の模様がありました。
 シャワー設備のある内湯と、露天風呂も別にあります。緑色の由来については館内に専門家が解説した資料が掲示してありました。
 仙岩トンネルが開通するまでの国道は、この温泉の近くを通っていて「南八幡平パークライン」と呼ばれ、未舗装の難路だった頃にバスで通ったことがあります。仙岩トンネルも現代の基準では狭く、豪雪期にはたまに事故等で渋滞が発生したりします。通行止めが長いと北上〜横手の107号を経由しないと秋田との往来が出来ないのですが、こちらも地滑りで現時点通行止めです。仙岩峠もさらなる改良が必要なようです。
 国道に戻る途中に枝道があります。入口には国有林によくある通行禁止の標識がありますが、その道を少し入ると「ブナ・はぐくみの森」なる、国民が立ち入って読み上げることを前提とした案内板があります。要するに一般車両の通行を前提とした道路管理は行っていないので、責任は負いませんという意思表示かと思います。
 この道に入るのは1990年代に一度、ブナの森の観察会のような催しがあって、この辺りにスキー場を建設する計画に関連して開かれたものに参加して以来です。
 周りは普通のぶなを中心とした林が続いています。そんな中に地形図を見ると、湿原記号があります。地形図中の「特異点」を見つけると行ってみたくなります。 2.5万分の1地形図を表示させたタブレットをカーナビと併設表示しているので、衛星把握が途切れない限り目的地に接近できます。
 道から林の間を透かして見ると、高木が無くて明るい所が見えます。薄い笹薮を分けて100m程進んで「湿原」の縁にたどりつきます。湿原記号の場所でも池塘がちりばめられていたりすることもあるので、期待してやってきたのですが、右写真のようにすすき状の藪が密生しているだけの場所でした。残念。
 この日は御所湖の畔にある何か所かの公園をめぐり、なじみの宿になった 塩が森水辺園地で休みます。24時間開いていて、トイレがあって、木陰があり、静かなところという条件では御所湖畔でここが一番だと思います。ただし冬季にはトイレは閉鎖されます。
 今回のツアーは天候に恵まれませんでしたが、身近な物を観察できました。